脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎とは?

まずは原因と症状を理解しましょう!

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、皮脂の分泌が多い場所に炎症が起きる慢性的な皮膚疾患の事をいいます。


特に、頭皮・顔(鼻周り、眉間、耳の周辺)・胸元・背中などにできやすく、赤み・かゆみ・フケ・湿疹といった症状を引き起こします。

 

主な原因

  • 皮脂の過剰分泌
    ホルモンバランスや食生活の乱れにより、皮脂が過剰に出ると炎症を引き起こしやすくなります。
  • マラセチア菌の増殖
    誰の肌にも存在する常在菌「マラセチア」は、皮脂をエサにして増殖します。これが過剰になると炎症を起こします。
  • 免疫力の低下
    疲れやストレス、不規則な生活により、皮膚のバリア機能が低下。常在菌に反応しやすくなり、炎症を引き起こします。
  • 気候や湿度の影響
    湿気の多い時期や汗をかきやすい季節に悪化しやすい傾向があります。

皮膚科を受診すべきタイミング

脂漏性皮膚炎は軽度であればセルフケアでも改善が見込めますが、次のような場合は早めに皮膚科を受診した方が良いでしょう。

  • 市販薬やケアを続けても2週間以上改善が見られない
  • かゆみや赤みが広がっている
  • フケが大量に出ている、もしくは黄色っぽくベタついている
  • 顔や耳、胸元など複数箇所に広がっている

皮膚科では、ステロイド外用薬や抗真菌薬(マラセチア菌対策)を処方されることが多く、症状が早期に改善する可能性が高くなります。

 

自宅でできる!

生活習慣の見直しと対策

 

1. 洗いすぎない、優しく洗う

過度な洗浄は逆効果です。

皮脂を落としすぎると、体はさらに皮脂を分泌しようとします。
指の腹で優しく洗い、よくすすぐことが大切です。

 

2. 規則正しい生活リズムを保つ

睡眠不足や不規則な食事はホルモンバランスや免疫に悪影響を及ぼします。
1日7〜8時間の睡眠、3食しっかり食べることが基本です。

3. 食生活の見直し

脂っこい食事や甘い物、アルコールの過剰摂取は皮脂分泌を促進します。
ビタミンB群(B2・B6)を意識的に摂ると、皮脂分泌を抑える効果が期待できます。

  • ビタミンB2:レバー、納豆、卵、チーズ
  • ビタミンB6:魚類(サンマ、サケ)、バナナ、にんにく

4. ストレスを溜めない

ストレスは皮膚の状態に大きな影響を与えます。
軽い運動や趣味の時間を設けることも、立派な予防策です。

5. 顔のスキンケアにも注意

顔に症状が出ている場合は、アルコールや香料の強い化粧品を避け、保湿を中心にしたケアを行いましょう。

再発しないためには継続的なケアがカギ!

脂漏性皮膚炎は、一時的に良くなっても再発しやすい病気です。
だからこそ「治ったら終わり」ではなく、日々のケアと生活習慣の見直しを続けることが大切です。

 

セルフケアで改善しない場合や症状がひどくなる場合は、自己判断せずに専門医を頼ること。
そして、日常のケアや生活習慣の改善も並行して行うことが、再発防止と快適な日常への近道になります。